僕は ChatGPT などの AI を
人類を一歩前に進めるツール
だと捉えている
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「AIに仕事を奪われる」
という恐れももちろんある
でも、成長には痛みが必要だ
ㅤㅤ
今日は、ChatGPT を
自分自身を知るための
内観ツールとして使う
テクニックを解説する
ChatGPT のメモリー機能は「第3の記憶」を開放する
ChatGPT には3つの記憶がある。
✅あらかじめ学習すること(事前学習:Pre-trained)によって蓄えている長期記憶
✅今話しているテーマ(チャット)についての一時的な短期記憶(記憶ウィンドウ)
そして、今回リリースされた
✅「メモリー機能」によるテーマ(チャット)横断型の記憶
の3種類。
これに加え、さらにインターネットの情報(他者の記憶)にアクセスする、ということもできるのだけど、今日はこの3つで考えていく。
第1の記憶:事前学習データ
GPTの名前の由来(Generative Pre-trained Translator)の Pre-trained に当たる部分。事前に学習した内容を元に、回答を生成してくる。よく、
ChatGPT は検索のように使ってはいけない!
と言われる。それは、この事前学習データが、過去のある時までの情報しか持っていないからだ。ChatGPTがインターネットにアクセスできなかった ChatGPT3.5 では(無料版の人は今も同じ)、調べた情報をチャットに与えてから、考えさせるという使い方になる。
ChatGPT がいつまでの情報をもとに回答しているかを知るには、「情報のカットオフ」ということばで聞いてみればいい。
第2の記憶:記憶ウィンドウ
※「記憶ウィンドウ」という呼び方は一般的ではない表現です。僕のイメージとしてご理解ください。
ChatGPT を最初に見た時にすごいと思ったのは、これまでに話した内容をもとに、さらに追加質問や、そのことについて考えさせることができる点。(以下は、WIRED さんの記事 https://wired.jp/article/how-selective-forgetting-can-help-ai-learn-better/ の内容について話してみた)
従来のインターネットにおける検索などでは、直前の検索を踏まえて、追加の検索を行うことはできなかった。例えば、それについて「もっと詳しく教えて」などだ。
これができるのは、ChatGPT が「ChatGPT からの回答文」と「私からの指示文(プロンプト)」の両方を、いくつか遡ったところまでもう一回送って、回答を生成しているからです。そして、その遡りの文章量には上限が決まっている。だから、ChatGPT はしばらく会話を続けていると、「前に言ったでしょ?」ということをサラリと忘れた回答をしてくることがあるのだ。(それが、また可愛くもあり、オイオイ!って思うところでもあるんだけど…)
そして、この記憶は目の前のチャットに限り有効で、新しいチャットを開いたときにはきれいさっぱり記憶を忘れてくる。そう、まるで別人と話しているような感覚になる。
第3の記憶:メモリー機能
そんな中、今回追加されたのが「メモリー機能」。これを使うと、いままでチャットごとに忘れられていた、あなたのパーソナルな情報をどのチャットからも参照することができるようになる。
メモリー機能を使ってみた時のインスピレーションで感じたアイデアは以下の投稿を参照して欲しい。
今日は、このメモリー機能を自分を知るための「内観」ツールとして使用するという話です。
彫刻を削り出すように「自分」を言葉で明らかにする
一言で自分はこういう人だ!と表現できるほど、人間は薄っぺらくない。どんな人も、心の中に明るい面も暗い面も持っているし、いつも〇〇な人だ!と思われている瞬間だって、全く逆な性格や、思考を持っていることもある。
こういう時は、自分の大切にしていることを、メモリー機能に託してみるのもいい。
✅ 自分のミッション、ビジョン、ポリシー、パーソナルアイデンティティ
✅ ストレングスファインダーで見つかった資質
✅ 16Personalitiesなどの性格診断結果
✅ 自分の中の中長期的に実現したいこと
✅ やりたいこと、やりたくないこと
大体、こういう診断をしたり、大きな目標を立てたりしても、その場限りで自分の中でも忘れてしまっていることも多い。ところが、これをいつも、あらゆるチャットから読みとれるようにメモリに入れておくと、「私だったらこのテーマのどこに面白さを見出すか?」といった自分にも気づかなかった視点を手に入れることができる。
自分の淀み(複雑性)を清流(シンプル)に整えていくプロセス
人は、ある環境においては完璧に振る舞えている。ところが、別の環境に移ったり、接する人が変わったりすると、とたんにうまくいかなくなる。
例えば、子どもは家の中ではわがままでも、親が言うことを聞いてくれていたおかげで、王子様気分で全てがうまくいっていたりする。ところが、学校のような集団行動をする場所に行くと状況は一変する。初めて、自分の言うことを聞いてくれない人に出会った時に、自分の言動、行動を変えなくてはならない状況に遭遇するようになる。
そこで、「遠慮する」という行動を覚えたりする。
しばらくは、それでうまくいっていた人生も、また接する人が変わると「遠慮ばかりしていると」自分が損をする、というモヤモヤに苛(さいな)まれることになる。そしてまた、自分を変えるプロセスを繰り返して、いろんなルールを足し込んでいく。ところが、ルールを足し込むプロセスは、いつか耐えきれずに破綻を迎える。メンタルを病んだり、関係性を崩壊させたりして。
本当は、定期的に自分の大事にしていること(自分の価値観)と、周りに求められていること(相手の価値観)を再バランスさせていく必要がある。それには、ルールは足し込むだけではなく、ルールを捨てると言う必要も出てくる。
明日、4/30をもって僕は「楽読」という速読スクールの講師を卒業するのだが、速読というのは「ねばならない」というこれまで足し込んできたルールを手放す(「じゃなくてもいいんじゃない?」)ことで実現する。自分の中の流れの淀み(複雑性)を清流(シンプル)に整えていくことだと言える。
自分の中の複雑性を「ChatGPT のメモリー機能に登録」していくと、そこに矛盾する思考がうまれてくる。それを、 AIとの対話を通して、思考を整理する時間もいいんじゃないだろうか。
ChatGPTを初期の頃から使っている、ソフトバンクグループの孫正義さんや、メディアアーティストの落合陽一さん、芥川賞作家の九段理江さんなどが、「ChatGPTは自分と対話するツール」だと言っている。人は一つの発言で、自分への見方が変わる時がある。AIにはそれがない。どこまでいっても自分のことを見捨てないでいられるのは自分。そして、そのもう一つの形態がAIなのかもしれません。
きっと、人間がもっと進化していくために、この時代にAIが必要だったのじゃないか?僕はそんな風に捉えています。
まとめ
ちょうど先週4/27の土曜朝の読書会で、参加者で英語教師の「あや」がコンプレックスの言葉の意味を説明してくれた。日本人は「コンプレックス」という言葉に「ストレス」的な意味を見出しているが、本来コンプレックス(Complex)は「複雑な」という意味。
逆は Simplex で「単一の」、「単純な」という言葉になる。
そう、コンプレックスには、もともとはネガティブな心理的負債のような意味はない。無記なのだ。
そこに、マイナスイメージをつけているのは自分でしかない。僕が自分に抱いているネガティブなイメージさえ、本質は無記なものだとしたら、そこにどんな味付けをするのかは自分。AIだって、無記。僕はそこに「自分と対話するためのツール」という味付けをして味わっている。
「AIを使うと考えなくなるんじゃないか?」と言う人をたまに見かけますが、僕の周りにはAIを使うことでこれまで使わなかった頭をフル回転するようになったと言う人は多い。「AIを使うと考えなくなる」という味付けをしているのは、さて誰でしょうか?
さぁ、ゴールデンウィーク始まりましたね。仕事の喧騒から、すこし時間をおいて新世代の自分と対話する時間を持ってみるのはいかがでしょうか?
ChatGPTデイリーハックと AICLASS Begins
現在、週に3日 朝30分の時間を使って、ChatGPT をはじめとする AI ツールの活用を日常に落とし込む「ChatGPT デイリーハック」という学びの場を提供しています(月額 3,300円)。ChatGPTをどんなふうに活用しているのか?画像生成AIや、Perplexity AI、さらには音楽生成AIに至るまで、僕だったらこう使うという視点で 30分を共に学び意見交換しています。
なにより、参加者の皆さんがどう使いたいのか?というのがわかるのも非常に学びになりますね。
興味のある方は、以下のLINE 公式アカウントから「デイリーハック詳細希望」とお知らせくださいね。
僕がこの AI という革新的技術の世界につねにアンテナをはりつづけられるように、運営している Facebook のグループ「AICLASS Begins」があります。僕自身のモチベーションのために運営しているので、このグループは無償提供しています。あなたの参加と反応が僕の栄養源です。
その性質上、AI と共に暮らす(CLASS)という前向きな人に参加してほしいので、僕からの招待制とさせていただいています。
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