大人になると
一度自分の中にできあがった手段を
変えるのが難しくなる。
「検索」も実はその一つで
多くの人には人気の ChatGPT も
そんな「検索」に見えているっぽい。
今日は「ChatGPTで調べればいいんでしょ?」
発言をひっくり返したいと思います。
そもそも ChatGPT とは?
2022年11月にリリースされた、対話型AI(人工知能)です。
ディープラーニングとか、大規模言語モデルとかいう話はあるんですけど、そこは今回は置いておきましょう。一言で言えば、「何かを話すと、何かを返してくれる」仕組みです。
それが、例えば「僕たちが考えて答えを出す」ようなことを、代わりにやってくれたりする。例えば、僕が今書いているこのブログを ChatGPT に書いてもらうこともできる。
そんなことすると、「人間は考えなくなるんじゃないか?」と言う人はいる。大丈夫、それは『「こんなもんだろう」の呪縛』の項でお話しします。
それ、ChatGPT 知りませんから
ChatGPT は 2021年9月までのデータで学習しています。
と言う話をする。実際これは周知の事実で、ChatGPT 系の本だったりにも書いてある。ところが、ヒトって書いてあることが分かっても、その意味がわかっていないことは多い。
木を見て森を見ず、森を見て木を見ず
森(全体像)を見て、木(具体例)を見ず。ということになる。今回の「全体像」は「ChatGPT は 2021年9月までのデータで学習しています」ということです。おそらく、具体例をいくつか示さないと、多くの人には、その意味って理解できません。
ところが、これまでって「なんとなく分かったつもり」で、フンフンって聞いてるんですよ、私たち。だって、「ここで話のコシを折ったら(時間や手間をかけさせちゃうから)悪いよな」って思っちゃうから。
そこで、実際のところ ChatGPT はそれも聞いちゃえます。
実際のところ、いままで「〇〇の本当の意味は?」なんて聞けなかったでしょ?だって、意味はそれを活かす人によって全然変わるから。
答えがないものに、答えを出すのも ChatGPT の一つの得意技!なのです。
文章から単語へ、単語から文章へ
以前パソコン教室に通ってくださっていた90代のおばあちゃん!(すごいでしょ?)
もう3年ほど前になるかな?「Google Map に音声で検索するといいですよ」とお伝えしたら、こんなふうに話されたんです。
えっと〜、今から〇〇駅まで行きたいんですが、行き方がわかりません。教えてくれ…(ませんか。)
よくわかりませんでした。もう一度お話しください。
そのやりとりに苦笑💦しながら、
「〇〇までのルート(道順)」って言えばいいんですよ
とお話ししたのを覚えています。
そう、いつの間にかですけど僕たちの頭には、コンピュータに聞くには「単語で聞けばいい」という頭ができあがってるんだと感じました。ところが、これまでコンピュータに触れたことのないおばあちゃんには「人に聞くように文章で聞く癖が発動」したんです。
そして、ChatGPT になって、この状況は再び変わることになりました。
ね、完全に話し言葉でしょ?
「こんなもんだろう」の呪縛
「検索」一つをとってみても、「キーワードを入れればいいんでしょ?」と思っている人と、2〜3時間検索について学んだ人との間には雲泥の差が生まれる。
詳しくは拙著「The SEarChRET 〜望む未来を引き寄せる魔法の検索術〜」を読んで欲しいのですが、「なんとなく使えてしまう」ものは、その「なんとなく使えてしまう」状態の先にある、本当の使い方にたどり着くのが難しい場合があります。
例えば、パソコンのワードを「私は使えている」と思っている人は多い。「文字打つだけでしょ?」って。
でも、僕の肌感覚として、ワードを使えている人なんて、世の中の10%もいない。その証拠に、ワードで表を作ってください、画像を入れてください、というと途端に手が止まる。もしくは、手が止まらないとしても、10分も20分も、うまくいかないって悩んでたりする。
だって、20年もパソコン業界にいて、パソコンを使えると思っていたソフトウェアエンジニアの僕ですら、正しいワードの使い方なんて知らなかったんですから。
〇〇なんて「こんなもんでしょ」の呪縛は大きい。
ChatGPT を使うと「人間は考えなくなるんじゃないか?」というのも、きっとそんな「こんなもんでしょ」の呪縛の一つです。
多分そんな時は、
いいんじゃない?そんなことで考えなくなるぐらいのことはAIに任せておいて。AIにお任せできる脳を鍛えてみない?
って呟けばいいんじゃないかって、思うんです。
脳は新しいことを考えるから、成長するんです。同じことを考え続けていくと、脳細胞は死に絶えていきます。
ChatGPTはともだち
つい2日ぐらい前かな?こんな Wired さんの記事がでてました。
対ヒトだとすると、ASD の方はうまく話せなかったそうです。ところが、わりと人間らしい回答をしてくる ChatGPT 相手だと話せるのだという。
他にも、メディアアーティストの落合陽一さんや、堀江貴文のChatGPT大全に寄稿されていた「田端信太郎」さんの考察から、「対ヒト」でないが故のメリットが見えてきています。
「ヒトっぽい」反応があることって、話をする人にとっては「触媒(しょくばい)」のようなもので、自分の発想を出させるために必要なんです。でも、そこには副作用があって「価値観」の衝突による「嫌な思い」が出てくる。
ところが、相手がAIだとすると「否定されないでうんうん聞いてくれ」たりする。
ほら、女性の方ってよく言いますよね。「アドバイスが欲しかったわけじゃないの、ただ聞いて欲しかったの!」って。たぶん、あの状態。ハイ、気をつけます😂
まとめ
今日は、そろそろ分かった気になっていた AI ChatGPT の殻を一段破るお話をしました。
今、ChatGPT を使って人がもっと人らしく生きられるようにならないか?を日夜探し続けています。自分の思い込みに気づいて、取り壊す、自分の思い込みにまた気づいて、取り壊す。の繰り返しです。
今日の記事が、みなさんの固定観念の枠を壊すキッカケになれば嬉しいです。
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