「誰にも言えない悩みを
人工知能にだったら話せるかなと
悩み相談をしている時もあります」
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1/17 に発表された芥川賞
「東京都同情塔」の作家
九段理江さんの言葉だ。
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今日は彼女のインタビューでの発言から
言葉とAIの使い方を見ていこう。
東京都同情塔
ちょうど読み始めたところなのだが、この刑務所「シンパシータワートーキョー」が「東京都同情塔」ということになる。今日の記事は、文春オンラインさんの以下の記事を参考にさせてもらいました。
「東京都同情塔」には ChatGPT の文章が「5%くらいそのまま」
こんな記事がセンセーショナルに、各ニュースサイトを賑わせている。
あぁ、ついにAIに小説を書いてもらう時代も来たか?それってどうなん?という煽りも含めてのタイトルだろうと思う。半分ミスリードを狙ってでも記事の注目度を上げたいのだろう。まずは読んでもらわないと話にならないから、入り口は大切だ。
どうにも先の記事を見る限り、この作品は2026年を舞台にしており生成AIの登場するシーンがある。そこでの文章として、「5%くらいそのまま」の文章が使用されているのだと言う。
小説自体を AI に書いてもらったと言う話ではない。これってすごく面白くて、人の書いた文書とAI の文書のエモさの違いを一つの作品内で感じられる可能性があると言うことだ。このブログも、たまに ChatGPT にアイデアをもらっていたりするけど、結局言い回しが自分らしくなくて発想はもらうもののリライトすることが多い。
悩みの相談
そんな彼女が、普段どんなことに ChatGPT を使っているかといえば「悩みの相談」だという。
人だから相談できるんでしょ?と思うかもしれないが、身近な人ほど相談できないことも多い。そこには利害関係を伴っているからだ。それならば、カウンセラーさんに…と思うかもしれないが、それも「これは人としてどうかと思う、どうかとは思うけど…」なんて言う自分の心の闇を相談できる相手は人工知能なのだ。
これは、過去に何度かいろんな人が同じようなことを言っている。メディアアーティストの落合陽一さんも、
ビジネスインフルエンサーの田端信太郎さんも、
この時の記事が以下です。
「九段」というペンネームは…
彼女の語るペンネームの理由が興味深い。
本を読んでいる人と、本を読んでいない人の明確な違いはココだ。一つの言葉の意味を多面的に捉えている。一つの言葉に対して、ダブルミーニング、トリプルミーニング(2つの意味、3つの意味を持たせる)のは当たり前で、そこに多くのエネルギーを載せている。
彼女たち作家の一言の重みがとてつもなく大きいのは、そこに読書を通じて、幾重にも重なった意味が乗せられているからだ。以前、書籍「潜在意識3.0」の作家とうどうひろみさんのワークショップに参加した時に、言葉をアップデートする、という話を聞いたことがある。
例えば、僕は「計画」というのが大っ嫌いだ。計画どおり進まないから。
相変わらず計画が嫌いなのだが、以前、書籍「覚悟の磨き方」などの著書で有名な池田貴将さんのセミナーに参加した時に「計画は必ず達成するために立てるのではなく、今の行動を変えるために立てるんです」と言われた瞬間、「計画」という言葉の意味が変わったのを覚えている。
つまり、言葉の意味を幾重にも転換できる人は、どんな言葉をもらってもそれをエネルギーに転換できる人と言うことになる。それが、読書の持つ力です。
100冊の本を読んで本を書く
やっぱり作家ってすごいな!と思ったのがこの発言。一つの作品を書くのに100冊は本を読まないと書けない、と彼女は言う。僕の以前の読書ペースである年間5冊の読書スピードだったら、100冊読むまでに人生が終わってしまう笑。
そんな言葉を操る彼女がアナロジーとして持ってきたのが「小説はアンビルトのようなもの」という例えだ。
「実態を持たない言葉が、人間も世界も変えてしまうことが不思議」という。
たしかに。これは、Dr. 苫米地こと苫米地英人さんの言葉を借りるならば「人は情報空間に影響を受けて生きている」ということになる。この話をする時に、僕はいつもレモンの話をする。
想像して欲しい。サンキストのレモンなんていいよね。みずみずしい感じの。あのレモンを包丁で真っ二つに切る。断面からは清々しいレモンの香りがして、切り口からはレモンの汁が滴る。それをあなたは右手に持ってかぶりつく。
そんなイメージを想像してみて欲しい。もう今、あなたの頬、下顎のあたりはキューンと痛くなっているのではないだろうか?これと同じことは毎日起きている。
嫌な上司をみた時に、胃がキリキリしたり、胸の動悸が激しくなったりしてないだろうか?直接触れられたわけでもなければ、なにか今怒鳴られているわけでもない。それでも、モノや言葉との関係性を僕たちは無意識下で作り上げながら生きている。
そんな言葉を、通じて行けるところまで行きたい、というのが作家 九段理江さんの理想にはある、とのことだ。
まとめ
新芥川賞作家 九段理江さんの、インタビューからは様々なことが読み解ける。
一つは、彼女をはじめとした、数々の人たちの AI の使い方として、人ではないからこその相談役として使えることの利点がある。
そして、もう一つは本を読む人が「言葉」のエネルギーの相乗効果や、反転させる力を多数の本を読むことによって、コントロールしているのではないかと、そのペンネームから読み解けること。
さらに、「実態を持たない言葉が、人間も世界も変えてしまう」そんな、魔法のような力を持っていると言うこと。
今日の記事を通して、AI講師として、速読スクールインストラクターとして、僕の活動がようやく一つに繋がった感覚があります。J.K.ローリングの魔法小説「ハリーポッター」。そのハリーの尊敬する大魔法使いダンブルドア校長の言葉にこんなのがある。
わしの率直な意見じゃが、言葉というのは尽きることのない魔法の源じゃ。人を傷つけもすれば癒やしもする力がある。
そんな言葉の魔法使いを一人でも多く、世に生み出すために、今日も活動しています。
感性を高め、圧倒的な読書力を身につける「楽読」は、全国対応の Zoom にて体験・レッスンを行っています。2月スタートの受講生さん、随時募集しています。
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