作家 喜多川泰さんの作品だけを
取り上げてきた土曜朝5:00
読書会も全20作品を終了した。
今日は読書会120回を終えて
「速読講師がなんで小説なんですか?」
に答える5つの理由をご紹介します。
小説なんて役に立たない
と思っていたのは、まだ本を読まなかった2019年の僕です。
ビジネス書や実用書なら役にたつのは分かる、でも小説なんて、作り物の話だし、そんなの映画やドラマ、アニメで十分じゃないか!?
と本気で思っていた。そんな僕が「新型コロナ(COVID-19)」をきっかけに、「ジーニーさんにおすすめです」と言われて渋々読んだ1冊の本から人生が変わりました。
今も地震の情報にさらされて、心をすり減らしている人にも「小説」は処方箋になります。
今日は、速読スクール「楽読」のインストラクターでもある僕が、ある意味「速く読む」の対局「味わって読む」にある「小説」の5つの効能についてお話しします。
小説でなきゃダメな5つの理由
情動記憶による記憶力向上
情動記憶とは、情動によって増強された記憶のことです。情動を喚起する出来事に対する記憶で、いつまでも鮮明に残りやすいことが知られています。小説には、舞台が設定され、フィクション小説であれば主人公以外の感情も描写されていきます。喜びや怒り、焦りといった感情。場面+感情で描かれるシーンは、同じようなシチュエーションをあなたが体験したり、話を聞いた時に即座に記憶から呼び起こされます。
僕は、不定期に「あなたの一冊選びます」という選書サービスを行なっています。これは、あなたのお話を聞かせていただいて、僕が過去に読んだ本のフレーズを記憶から呼び起こして本を紹介しています。なぜなら、その本が今のあなたにとって「情動」に紐づいた現状打開のヒントを含んでいると感じるからです。
感情をキーワードに心のクラウドを検索しているような感覚でしょうか。
僕の場合は、短期記憶がダメダメ(笑)なのですが、長期記憶は割と自信がある方です。それは、小説などを使った情動記憶を、記憶の足場として使用しているからです。記憶が引っかかる場所を、小説を読むことで作っている、といえば何となく伝わりますか?
ストレスを68%軽減する読書のセラピー効果
「ビブリオセラピー(読書療法・Bibliotherapy)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
イギリス政府では、2013年から精神疾患の患者に対して「本」を処方する医療システムが始まっています。それだけ、読書には癒しの力があります。同セラピーのために選ばれた本は最初自己啓発書ばかりだったそうですが、今では小説がより一般的だと言われています。英サセックス大学の研究によると、読書によって軽減されるストレスは68%。音楽鑑賞、コーヒー、ゲーム、散歩などによるストレス軽減度を上回るそうです。
詳しくは STUDY HACKER さんのこちらの記事が参考になります👇
自分の世界が広がる「興味の飛び火」効果
ビジネス書、自己啓発書など、あらゆる本はほぼ目的を明らかにして書かれています。以前の僕のように「小説なんて時間のムダ」と思っている人は、目の前の本を読んで何が得られるかハッキリしていないと思っているからでしょう。
実際、僕がなぜ「喜多川泰」さんの本だけは、小説の中でもきっかけになりやすかったかといえば、そこに必ず「学び」の要素が織り込まれているからです。読む前には何が得られるかはよくわからないけど、読み終わった後には「学びの要素」がなかったことが全20冊を読んで一度もないのです。
それは、作家 喜多川泰さんが学習塾の先生だったということにも由来しています。学生たちに、正論を突きつけても「やる気」は起きない。そんな学生たちに、どうやったら自分から「やる気」になってもらえるかをとことん追求した形が小説という「場面+情動」で伝える方法だったのです。
僕たちは主人公のことをもっと理解したいと思うと、主人公が興味をもった事柄を自分で調べたり、体験しにいきます。実際、喜多川泰さんの最新作「おあとがよろしいようで」は、その名前からも分かる通り「落語」をテーマにしたお話です。落語に興味もなかった私が、今ではこの本に載っていた11の落語の演目がどんな話なのか、今は大体わかります。あなたの興味は、小説の登場人物を通して「飛び火」していくのです。
自分の思考や興味がマンネリ化している、ビジネスでよいアイデアがでない、という人は自分の世界を小説を通して広げてみてはいかがでしょうか?
自分軸が育つ「感性」のゆりかご効果
人は考えたことのないことには答えられないものです。
気づけば今僕たちは、ほぼ考えたことのない出来事が毎日のように起こる世界に生きています。AIの進化に対して、肯定的なスタンスを取るのか?それとも否定的なスタンスをとるのか? 1/1 のような地震にあったときに、ここに留まるべきなのか、今すぐ逃げるべきなのか? いまや、過去の事例に従っていればうまくいく時代は終わりました。
そんな時に「自分の答えを出す」ために必要なのは、あなたの「感性」です。いやいやロジックでしょ?と思うかもしれませんが、ロジックは賛成派にも、反対派にもなれます。特定の主題について、異なる意見や立場を持つ人々が対話を通じて意見を交換し、議論を行う「ディベート」は答えを出すのに必要なのがロジックではないことを示しています。
感性の話、自分の意見の話は、個人的にこの2冊がおすすめです。
「だから何?」で終わらない雑学王効果
人との会話が続かなくて、「雑学500」みたいな本を読んでいた時期があります。それで、入手した知識をなんの脈絡もなく会話にぶっ込む。すると、相手は「ぽかぁん」とするんですね、「だから何?」って。
小説には、場面を盛り上げたり、リアリティを増したりするために小道具のように雑学が入り込みます。それは、小説の作家さんがまさに自らの体験から「情動記憶」で勝ち取った「これはすごい!」という感動の雑学です。
それが、「場面+情動」を伴って書かれているんです。僕たちの記憶に残らないわけがないじゃないですか。
同じような場面や、会話をしているときに、その雑学はひけらかすわけでもなくサラッと出てきます。そういえば、今朝の読書会では、「落語のリズムやテンポがいいよね?」という話から「日本語の575のリズム」、そして「日本で句読点が使われるようになった歴史って意外に浅いんだよ」なんていう雑学が飛び出していました。
会話をサラリと引き立てる雑学、手に入れたくないですか?
まとめ
年間5冊も本を読まなかった僕。その5冊も「ネット記事のキュレーション(整理記事)」のような本ばかりでした。今日は、そんな僕が速読講師になり、ふとしたきっかけから「小説」にであって広がった世界と、その5つの効果をご紹介しました。
喜多川泰さんの講演会に行くと「新刊もう読みました!ってお話いただくんですが、じっくり楽しんで読んでほしいとおもっています」なんていうお話をされます。それを、内心「ごめんなさい」と思いながら聞いている僕(笑)。
でも、僕たちは2回目3回目を読みます。なぜなら、読むたびに別の言葉が入ってくるから。僕の朝5:00読書会は「人生の教科書」というタイトルをつけています。読書会を通して、さまざまな参加者の視点を通して語り合う読書会を通すと、厚さ1cm~2cmの本は厚さ30cmの本に匹敵するぐらいのサブエピソードを伴った本へと変化していきます。
それは、参加者のエピソードであり、参加者の気づきであり、さらには一緒に場を共有する仲間の声です。知らない誰かのエピソードではなく、知っている大切な仲間のエピソードです。記憶に残らないはずがありません。情動記憶ですから。
僕がインストラクターを務める「楽読」は速読スクールであって「速読が目的」のスクールではないと思っています。それは、何よりも「感性」を大切にしているスクールだからです。ナナメ読み、飛ばし読みを一切行わないで、熟読で速く読むスクールです。
「じっくり味わいながら速く読みたい」という人には、感性を高めることで吸収力が上がり(じっくり味わいながら)、2~7倍のスピードで本が読める(速く読みたい)を手に入れられる教室です。だから、1冊5分で読める速読スクールとは目指しているポイントが異なります。僕たちの速読スクールでは1~2時間で本が一冊読めるぐらいのペースです。1日10分読んだら、1週間で本が読めるぐらいのペースです。それでも、月に4冊、年間約50冊の本が読めたら、人生もっと豊かになる気がしませんか?
もしくは、そんなこと考えたこともない!という人には人生を広げるチャンス、かもしれませんね。ほぼ毎日、体験会を予定していますので、興味のある方はぜひ体験会から参加してみてくださいね♬
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